年収1,000万円を超えて感じたこと

過去から現在に至る道程と旅行の話

最強老害あらわる~前編~

憂鬱な日々

今働いている現場で目の前の席に老害が座っている。

幼稚で落ち着きがなく、騒々しくて自己中心的で常識に欠け、近くにいると本当に嫌な気持ちになるので一刻も早く離れたいのだが、職場という事もあってなかなか難しい。また、その隣には老害と仲の良い主婦が座っており、この主婦もなかなか変わった人物のため老害パワーの増幅に一役買っていた。

ここはITエンジニア達が仕事をするオフィスのはずなのだが、暇な老人と暇な主婦が1日中ムダ話をしてお金をもらっている迷惑だ。

勤務時間

老害はあまり働かなかった。

僕と同じようにフリーランスとして現場と契約しているようだが、老害は時給制で週4日10~16時という短い時間しか働かないと決めているようだった。月にすると、およそ80時間くらいだろうか。

どうやら株か何かでそこそこの収入を得ているらしく、フルタイム働かなくても暮らせるらしかった。隣の主婦も子供を幼稚園か保育所に預けているらしく、同じように10~16時の時間で働いていた。

2人は業務中のほとんどの時間を世間話をして過ごし、僕には遊び半分で仕事に来ているように見えた。

老害と主婦

老害と主婦の二人が組み合わさるとうるさくて大変だった。

老害は50歳。僕と同じく独身のようだが、オタクをこじらせたまま大人になったような人物だった。主婦は30代だろうか。どうやら主婦もオタク的要素があるらしく、老害とはとても話が合うようだった。

2人に与えられた仕事量は少なく余裕があるので毎日1,2時間だけ働いて、残りの時間は最初から最後まで世間話をしていた。近くに座っている僕には本当に迷惑で気が散って仕方がなかった。

うるさくて下品

老害はうるさかった。加齢により耳が悪くなってきているのか喋り声が大きく、その声も完全に老人の声といった感じで聞いていて気持ちの良い声ではなかった。会話している時はもちろん、独り言もうるさかった。

老害は隣に主婦がいるとより一層独り言が多くなり、聞いてくれる人がいると独り言が増えるタイプの人間だった。放っておけばいいものを、主婦が律儀に独り言に反応するため、またすぐに会話が始まった。

一旦、話が始まるとすぐには止まらず、発売された新製品・レストラン・仕事の愚痴などで盛り上がり、やっと仕事をし始めたかと思えば、また独り言・舌打ち・ターンッと早押しクイズのような仕草でEnterキーを響かせた。綺麗な音でEnterキーを鳴らせる自分は優秀だと思っているのかもしれなかった。

さらに、スー、スーと息を吸う音もうるさく、時折ズズーッとヨダレを啜る音も気持ち悪かった。スマートフォンもマナーモードにしていないので、時折LINEが届いた時の音が鳴っていた。考え事する時に机を指で叩いてリズムを刻む癖もあった。

他にも、手やハンカチなどで口を覆わずに顔を横に向けてクシャミをする癖もあったし、痰が絡むのかエヘンエヘン、ゲヘゲヘゲヘという音もうるさかった。

独り言

老害は考える時でも、メールを読む時でも、タイピングする時でも、何かをするときに全て声に出すので困った。

「チッ(舌打ち)、暑いなー。そういや今日35℃っていってたなー。スー(息を吸う音)、おっと、忘れてた。メール出さないと。スー(息を吸う音)、えーっと、資料どこいったっけ。チッ(舌打ち)、あれ無いなー。ってそうか、ここに置いたんだった。ズズーッ(ヨダレを吸う音)えーっと。全員に返信でCCにxxさんを入れてっと。スー(息を吸う音)、お疲れ様です。昨日の件ですが正常に完了しております。ズズーッ(ヨダレを吸う音)っと、、、、よし。送信っ。タンッ(Enterキー)、さーて、スー(息を吸う音)あとはのんびりするぞー。」

というような感じだった。

ここまでくると完全に病気なので、席を離してもらうしか解決策は無いと思った。

事実、なぜか、この2人だけ少し離れたところに座らされており、新しく現場に入った僕が座ったのは空いていた二人の目の前の席だった。

何をしに会社に来ているの?

老害は毎日毎日ランチに何を食べるかを言葉にしながら考えていた。

『xxxは昨日食べたし、xxxは水曜日に行った方が得だし、今日は何にするかなー。スー(息を吸う音)やっぱりxxxかなー。でも、ズズーッ(ヨダレを吸う音)、xxxも捨てがたいなー。』

というような感じだ。

何を考えるのも何を食べるのももちろん自由だが、考えた事を全て口に出すのはやめて欲しかった。気が散って仕方が無かった。

主婦がいないときは老害の独り言は止んだ。

僕は反応ゼロなので独り言を言っても仕方がないと理解しているのだろうか。僕以外の人も老害の話は聞こえないフリをするので話しかけることは無かった。

しかし、主婦がいない時は機嫌が悪くなって舌打ちが増え、エンターキーの音もうるさかった。

常に文句・悪口

老害はオフィスにいる間中、舌打ちをしながら常にありとあらゆる事に不平不満を言っていた。自分が一番優秀だと思っているため、上から目線で『あいつは仕事が出来ない』『あれはマズい』『あれはつまらない』と何時間でも文句を言い続けていた。

気に入ったものでも『まぁまぁだ』とか『悪くはないけど』と手放しに褒める事はしなかった。

まるで"絶対的存在である自分を100%満足させるものなど、この世に存在するはずが無い"と決めつけているかのようだった。

だが、不思議な事に主婦はその愚痴を毎日笑って聞いていた。おかげで、老害の悪態はエスカレートした。粗探しをするような減点方式の話し方で、「アレはダメ。コレはダメ。」と一日中、目の前で愚痴を聞かされる僕はたまらなかった。

こういう人は文句を言うために、わざと不満を感じるものばかりを選んで生きているのかもしれないと思った。

一緒に働く同僚の悪口をわざと本人に聞こえるように口にして、「自分がリーダーだったらアイツらみたいなやり方は許さない」と言っていたが、老害はリーダーどころか、当然ながら全く人望は無かった。妄想で語る"自分がxxxxだったら"シリーズはやめてほしかった。

お土産にも文句

老害は人からもらうお土産にも文句を言った。

「せっかく食べて減らしたのにまた増えるなー」とか「好みじゃなければ貰ってもゴミ箱に捨てる」と公言していた。渡す方もこの老害にはお土産を渡したくないと思っているのだが、老害にだけ露骨に渡さないのも大人げないのでお情けで渡しているのが分かっていないようだった。

ある時、午後にコーヒーを差し入れられて、「この時間にコーヒーを飲んだら夜に眠れなくなるだろうが。受け取る人間の事を考えろよ。」と言っていた。

何様のつもりだろうか。

自慢

老害は常に自慢していた。

天候や事故などで電車が止まった日も「僕は徒歩で現場に来れるからねー。みんな大変だねー。」と得意気だった。

確かに電車通勤しない生活はストレスから解放されるのかもしれないが、この老害の落ち着きの無さを見る限り、むしろ人よりもストレスを溜めているように思えた。

「xxxさんだったら10分かかるけど、僕だったら5分かなー」と人を下げて自分を上げる話し方も得意だった。

この老害、空気を読む能力が皆無で反感を買うような言動を繰り返していた。

常に否定

老害は相手の言う事を否定した。否定するのが癖のようだった。

相手の話をろくに聞かずに否定するので、否定した後で、相手が言ったのとほぼ同じ内容を違う言葉で言い変えるだけの時も多かった。

例をあげると、
『黒ですよね。』
「いや、全然違うでしょ。黒っていうかブラック?」

『約1万ですよね。』
「いや、全然違うでしょ。9,999だし。というかあと少しで1万?」

このような返し方だった。

僕としてはとても不快で幼稚な振る舞いに思えた。

話たがり

老害はとにかく一方的に喋り続けた。

事あるごとに自分がどれだけ優秀かという事をアピールしたいようだったが、本当に自分を優秀だと思うなら、長く話すのではなく短い言葉で伝えれば良いと思った。相手の時間を奪っているという認識は全く無く、話が長い時点で優秀では無いという事に気付いていないようだった。

老害は仕事で何かを聞かれると、待ってましたとばかりに怒涛の勢いで話し始めた。相手の事情も考えず生き生きと話を続けた。水を得た魚だった。

だが、IT業界の人間は皆忙しかった。必要な事だけを簡潔に答えなければ煙たがられる。10を1にまとめて説明できる人間は重宝されるが、1を10に膨らませて話すような人間は不要だった。

相手を拘束

この老害は質問に来た相手を隣に座らせたまま、何十分でも話を続けて目の前で回答のための調べものなどをした。聞いた側は自分から質問した手前、「忙しいので要点だけお願いします」とか「時間がかかるようなら後で教えてください」とは言いづらい。

しかし、言葉には出さないが頭の中では"こちらも忙しいのに、話が長いなー"と思っている事だろう。"次からは聞くのをやめよう"と思うかもしれない。

僕も含め、おそらく相手の時間を大切にする事を心がけている人間であれば、数秒で回答出来る事ならその場で答えるが、時間がかかりそうなら『調べて後で報告(口頭/メール)します』と言って、相手を長時間拘束する事無なく開放するのではないだろうか。

ある日、この老害の口から「タイムイズマネー」という言葉が出て来た時は、自分の話の長さに全く気付いていないんだな、と思った。老害によくある"自分だけは特別。自分だけは対象外"というやつだ。

自分が長々話すのは大好きだが、自分が聞く側に回るのは苦痛なのだろう。

落ち着きがない

老害は落ち着きが無かった。

ただじっと座っているという事が出来ず、ユラユラと体を揺らしたり、何度も伸びをしたり、かと思えば画面を張り付くように見たりするので、その度に古い椅子がキューキューと音を立てた。自分が発言出来ない打合せなどの場では居眠りをする事が多かった。

子供おじさんからさらに時が経ち、もはや子供おじいちゃんだった。見た目は老人なのに中身は小学校の低学年。気持ち悪い存在だった。

オタク志向

老害は年老いたオタクだった。

何歳になってもアニメやゲームを好きでいて構わないと思うが、様々な人が働くオフィスで、業務中に50歳の男性がアニメや声優、特撮ヒーローや超合金について熱く語るのは僕にはとても気持ち悪かった。

変に芝居がかった話し方をしたり、妙に数字に細かかったりと、10代・20代のオタクを感じさせるような話し方も奇妙だった。

「クソ」「しね」「ガチ」「コスパ」「ガン無視」「xxxって、何それ、おいしいの?」「xxxするだけの簡単なお仕事」「冬アニメの水着回は~」など、使う言葉も、発する内容も常識ある50歳の男性とは思えなかった。

おそらくこの人は数十年間、中身が成長せずに歳を重ねて来たのだと思う。

僕にも大人になり切れていない部分は存在するが、そんな僕から見ても『いい加減、大人になれよ』と言いたくなってしまうほどの幼稚さだった。

この老害、たぶん、いや、間違いなく女性との交際経験は無いと思う。

自分の事を苗字で呼ぶ

老害は自分の事を苗字で呼んだ。

若い女性で自分の事を名前で呼ぶ人はたくさんいるし、自分の事を苗字で呼ぶ人も過去に見た事があった。しかし、さすがに50歳の男性が自分の事を苗字で呼ぶのを聞いた時は大きな違和感を感じた。

オタクとして生きてきた事と関係あるのかもしれないが、自分でおかしいと思わないのだろうか。

オタクが悪いわけではないと思いたいが

例えばこの老害が独り言や愚痴を言わず、音を発する癖を持たず、話は簡潔で分かりやすく、ポジティブで、身の回りがスッキリした人だったなら、アニメや声優・特撮ヒーローや超合金を好きだったとしても、そこまで嫌悪感は無かったのかもしれない。

しかし、そういった物から卒業出来なかったからこそ、常識が身につかなかったのかもしれないとも思えた。 

 

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