年収1,000万円を超えて感じたこと

過去から現在に至る道程と旅行の話

不登校時代の友人との別れ

ストリート

不登校の時期は暇だった。友人も昼間は学校で授業を受けているので遊ぶ事が出来ない。気が付けば同じような不登校の友達とばかり遊ぶようになった。

天邪鬼でお金にだらしない友人

アルバイト

彼は中学時代はちゃんと学校に通っていた。勉強は得意では無かったが体力はそこそこあったように思う。ちょっとひねくれた性格をした変わり者だった。

彼の実家は自営業で、あまり儲かってはいなかったと思う。彼は中学の頃から新聞配達のアルバイトなどをして自分の小遣いは自分で稼いでいた。自分で稼いだお金だから使い方は自由だが、彼は金遣いが荒かった。

お金の使い方

ゲームソフトを買っては『面白くない』と言ってすぐに売りに行くという事を繰り返していた。お小遣いが無くなって来るとゲーム機本体も売ってしまい、数か月後にアルバイト代でまた同じゲーム機本体を買うという事も何度かあった。買った時と同じ値段では売れないので、売り買いする度に無駄な出費となる。賢いとは言えなかった。

また、ジュースやお菓子を買っては『まずい』と言って一口だけで捨てたりもしていた。

話の仕方

僕が「xxxって、いいよね」と話をしても『いや、大した事ないでしょ』と否定される事が多かったし、「こないだ、大変な目に遭ったよ」と話をすると『そんなのまだいい方だって。俺なんかさー、、、』という感じだった。

否定して決めつけて、上から目線で自分の優位性を主張する。彼と話をしてもイライラする事が多かった。

一人暮らし

高校を辞めた僕の影響を受けてか、彼も高校を辞めてしまった。彼は塗装工として働き始め、風呂無し共同トイレの家賃1万円のアパートで暮らし始めた。お金を貯めて免許を取得して、車も購入したようだ。

この頃にはお互いの価値観のズレから会う事もなくなっていた。しかし共通の友人から、金を借りる時だけ会いに来る事、働いているらしいが遊びで使いきって金を返しに来ない事を聞いた。

ルール違反

彼は社会で生活していくために守らなくてはいけないルールや必要な出費よりも、遊び金を優先した。車には乗っていたが、保険には入らず、車検にも行かなかった。そういう場合は目立つのは避けるはずだが、彼の車はスポーツカーでナンバープレートにブルーライトも付けていたのでとても目立った。

毎日のように運転していると、シートベルトや一時停止、スピード違反など誰でもちょっとしたきっかけで警察に捕まる事はある。その時に車検切れだと非常にマズいだろう。ある日、彼が警察に捕まっている所を偶然目撃した。他にも色々とやらかしていたのかもしれないが、彼は免許を失った。

さらに状況は悪化

彼はそれでも車に乗る事を続けた。生きていくにはお金が必要だし、車に乗らないと仕事にすら通えない。何万キロも走ったような激安の中古車を購入して乱暴な乗り方をするからすぐ壊れてしまうのだろう、ゲーム機を何度も売り買いしていた頃のように数年間に3回も同じ車を購入していた。どんどん状況は悪化するというのに彼は学ばなかった。

しばらくして、1万円の家賃すら払えなくなったらしく、借りていた部屋も出る事になった。また実家に戻ったのだろうか。その後どうなったかは知らない。

天邪鬼

彼はいつも皮肉を言っていたし、ひねくれていた。お寿司を食べに行くと一番最初にガリを食べたし、鉄板でジュージューいってるステーキが出て来て、みんなで「肉柔らかくてウマ~い!」と言っている時に『いや、絶対にこっちの方がウマいよ』と付け合せのコーンから食べ始めるような人だった。

"俺は人とは違うんだよね"という考えをこじらせていたんだと思う。そして念願通り、人とは違う生活を手に入れたはずだ。

彼に関しては完全に自業自得だ。同情の余地は無い。

月に何度も給料日があった友人

複雑な家庭環境

もう一人の友人は中学時代は僕と同じように不登校だった。家庭環境も複雑だったので僕と気が合った。古くて小さい彼の家に何度も遊びに行った。中学生の頃はお母さんと住んでいたようだが、高校生の年齢になってからはお母さんが家を出て一人暮らしをしていた。彼は最初から高校を受験していない。大工などをして生活費は自分で稼いでいた。ある時期にお父さんは刑期を終えて家に戻って来たらしかった。頼れる人がいない環境で彼は育った。

誘うのは

僕の住んでいた地方の町は車社会なので免許と車が必要だ。彼は生活費を稼ぐのでいっぱいいっぱいで、30万円の免許代を出したり車を買うお金は無かった。携帯電話も持っていなかった。

大工の仕事は毎日親方がワゴン車で送り迎えをしてくれるから問題無いが、18歳になって色々遊びに出る時期になると車が必要になる。彼は足代わりに免許と車を持っている友人を誘った。最初は僕を、ある時期からは天邪鬼な友人を。

キャバクラ

カラオケやゲームセンター全盛期の頃だったので、最初はそういった場所に良く遊びにいっていたが20歳を過ぎてからはキャバクラにハマったようだ。遊びに誘うと全てキャバクラに結び付けた。

  • 僕「カラオケに行こうよ!」⇒友人『キャバクラで歌えるよ』
  • 僕「居酒屋でも行かない?」⇒友人『キャバクラで飲めるよ』
  • 僕「ナンパでも行く?」⇒友人『キャバクラに女の子いるよ』

僕はウンザリした。

今日は給料日

友人は『金なら俺が出すからさ。行こうぜ?』としつこく誘ってくる。付き合いで1度か2度は一緒に行ったか。良く覚えていない。開店19時頃からお店に行き午前2,3時の閉店までずっといるのだ。そんなに長時間飲むものだからベロベロに酔っぱらって家に帰る。

大工仕事の朝は早い。当然起きられず仕事は休む。昼過ぎに起きてお店が開く時間を待ち、また開店一番乗りでお店に行く。それを連日だ。週に4回ぐらい行っているようだった。

働いてもいないのに連日そんなに飲みに行ってお金は大丈夫なんだろうかと心配したが、彼は『大丈夫。今日は給料日だ。』と当時バンバンCMを流していた消費者金融のATMに入って行った。A社で限度額が一杯になったらB社。B社の次はC社という感じだった。

僕の付き合いが悪いので、天邪鬼な友人を誘ってキャバクラに行くようになり、天邪鬼な友人は女の子に時計を買ってプレゼントしたりしているとも聞いた。救いようが無かった。

選択

見かねた僕は彼にこう告げた。

「友人として言う。お店に通うのをやめてほしい。やめれないなら僕は君と友達をやめる。」

僕は泣きそうだった。彼には通じなかった。

数年後

彼と友達をやめたが、久しぶりに会う機会があった。あのあと、複数の消費者金融から借りたお金が100万円を超えてキャバクラ通いをやめた事。いかに自分が馬鹿だったか気付き、今では必死に働いて返済しているという事。

"だからやめろと言ったのに。自業自得じゃないか"と言えれば良かった。しかし―

100万円。地方で暮らす20代前半の若者には大き過ぎる借金だ。彼のように頼れる家族がいない人間にとってはなおさらだ。今まで貯金するのも大変だったのに、これから何年もかけて返済しなくてはならないのだ。なぜあの時、彼を殴ってでも止めなかったのかと、また泣きそうになった。

「ごめん、止めてあげられなくてごめん。」僕は何度も謝った。

彼とはそれっきり会っていない。思い返しても辛くなる。出来れば今は奥さんや子供に囲まれて楽しく暮らしていてほしいと心から願う。

振り返って

友人から受ける影響は大きい。出来るなら、お互いに良い影響だけを与え続けて行きたい。友人が道を踏み外したなら止めてあげるべきだと思うし、友人が変わろうとしないなら、悪い影響を受けないように関係を断つ事も考えるべきだろう。

不登校時代の友人達と関係が続いていたなら、今の僕はどんな生き方をしていただろうか。少しだけ考えてみたが思い浮かばなかった。