年収1,000万円を超えて感じたこと

過去から現在に至る道程と旅行の話

年収160万円の面接~現場面接編~

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2007年 30歳 契約社員CS 年収160万円。

研修に参加してIT業界に入るという夢は何とか叶った。ギリギリだった。

自社研修

僕が入社したのは社員数50人くらいの小さな会社だったが、新人育成に力を入れていたので研修だけを専門に行うエンジニアが1人だけいた。同期入社は僕の他に2人。時間をかけて丁寧に教えていただいたと思う。

今までの人生ではマウス操作のWindowsパソコンしかさわったことがなかったのでコマンドで操作するLinuxというソフトを目にするのは初めてだった。

※Windowsでもコマンド操作は可能で、Linuxでもマウスで操作するデスクトップ画面はあります。しかし入社直後の何も知らない状態の時は、上のような大雑把な認識でした。

同期入社の仲間

仲間

他の2人も僕と同じように地方の転職フェアで採用が決まって東京へ来る事になった人達だった。自社研修で毎日一緒に過ごしているので自然と仲良くなり、3人共に会社が用意した物件に住んでいたので最寄り駅も近く、休日も一緒にお酒を飲んだりして過ごした。

その後、同期の1人は半年程度で他社へ転職。もう1人は地元に彼女を残して来ていたので、数年で地元へ帰った。今もそれぞれの場所で活躍していると信じたい。

現場面接

1か月の自社研修を終える頃に現場の面談に行くことになった。場所は国会議事堂も近い東京中心部の駅で、自社からは他の現場で働いている先輩社員が2人。他社からも1人が来て、僕を含めて4人がいた。

ビルの地下にあるコンビニ前で待っていると現場のリーダーが来て近くの喫茶店へと移動した。1人ずつ面接かと思っていたが、まさかの集団面接になった。エンジニア未経験の僕にはとてもプレッシャーだった。

面談開始時に簡単な業務内容の説明があり、今回の募集枠は3名だと言われた。端から順に1人ずつ、これまで携わった業務内容などを話した。

1人目:自社の先輩社員A

ネットワークの知識が豊富。安心感のある落ち着いた風貌で数々のプロジェクトに関わった事があるようだった。

2人目:自社の先輩社員B

ネットワークの知識が豊富。少し神経質な感じのする人で体調に不安を抱えているようでもあったが、ネットワークに関する上位の資格を持っているようだった。

3人目:他社の社員

スクリプトなどが得意で、何だか難しい言葉がたくさん出て来た。聞いているだけでも凄い人だというのが分かった。

悟りの境地

前の3人の話を聞いて良く分かった。30歳からエンジニアになった実務未経験(おまけに中卒)の僕にはとても太刀打ち出来る相手じゃない。普通に考えれば僕以外の3人が選ばれるだろう。もう、どうあがいても勝てる訳がなく、完全な場違い、羞恥プレイだ。

おかげで開き直った僕は面白いくらいに冷静になれた。
こうなったら素直にありのままを伝えるしかない。当たって砕けろだ。

4人目:現場経験なしのド素人(僕)

『以前までは違う業界で働いており、30歳になってからIT業界に入りました。現在は自社で研修を受けていて、IT資格は〇〇と△△を取得しています。今後は資格を活かして〇〇の仕事をしていきたいです。

現場での経験はありませんが細かい仕事や人のやりたがらない仕事が好きです。特技はExcelです。』

心の内

特技はExcelって。

Excelが得意だなんて聞くと、VBAとかそういった事が得意のように聞こえるかもしれないが、この時の僕はVBAなんて全く知らないし、いわゆるちょっとした関数を知っているとか、表やグラフが作れるとかそんなレベルだった。

おそらく他の3人も含めSEなら誰でも出来るような事しか僕には売りが無く、IT資格についても本で勉強しただけで実務の伴わない、いわば"ペーパードライバー"だった。本当に泣きたいくらいの逆境だったが、笑顔でとにかく明るくハキハキとを心がけた。

最近の言葉で言うと"公開処刑"というのが近いかも知れない。自分でも気味が悪いくらいに堂々としていたが、握った手の中は汗ばんでいた。

面談帰り

面談が終わり、会社の先輩2人から「いやー緊張したねー」と声をかけられた。初めて会ったが気さくで話しやすい先輩達だった。一緒に働くと頼もしい存在になるかもしれない。

結果は?

取引

全く期待していなかったのだが、予想に反して僕は先輩社員2人と共に入場出来る事になった。選ばれなかった1人は他社の社員だ。

当時はただただ現場で働けるようになった事が嬉しかったが、今思えば「AとBを入れてくれれば、もう1人(僕)は未経験者ですので3か月間はタダで付けますよ」というような取引が裏であったのかもしれない。

実情はどうあれ、僕は現場で働けるようになった。

今思い返しても忘れらない面接だ。

敵陣にただ一人

考えてみれば、ずっとアウェイ。

日本全部を見てもそうだが、特にこの業界では中卒の僕より学歴が下の人間はほとんどいない。周りは常に格上の人達だ。中卒・30歳・業界未経験の人間が、大卒ばかりの世界に入ってどこまでやれるのか。

楽しみでもあり、不安でもあった。

これからも手に汗を握りながら、ハッタリとクソ度胸で乗り越えていくしかない。

最下層からのスタートだ。

僕は上しか見ていなかった。