年収1,000万円を超えて感じたこと

過去から現在に至る道程と旅行の話

無職の帰還~後編~

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2011年 34歳 無職 年収0万円。

職業訓練で出会った女の子にわずか5日で振られた。再び地元を離れる。

レオパレス

光熱費や敷金も含んでいる事も理由の一つだと思うが、大きさや設備から考えてもレオパレスで借りた部屋は割高に感じた。部屋はロフト付のタイプ。エアコンはタイマー付で時間が経つと自動的に電源が切れるようになっている。ネットの評判通り、確かに壁も薄かった。しかし住むのは1ヵ月だけだ。より良い部屋へ引っ越すために職探しを頑張るしかない。

引越しの荷物

僕は引越しの荷物が多かった。おそらく平均的な男性2人分に該当するくらいの荷物だったと思う。冷蔵庫も1人暮らしの大きさではなかったし、洗濯機や40インチのテレビもあった。ソファもだ。ベッドもあった。PCやゲーム機も。その他にも趣味を持っていたので、そういったものもある。本やCD、DVDもだ。

当然、レオパレスの部屋に全ては入らないので事前に引っ越し業者に「最初に一部だけをレオパレスの部屋に運んでもらって、本当の住まいが決まったら残りをそちらに運んでもらえませんか?」と相談して許可を貰っていた。

冷蔵庫や洗濯機などの家電製品は備え付けのものを使う事にして、PCと服、調理道具など最低限のものをレオパレスの部屋に運んでもらった。今思えば家電製品は実家に置いて来てあとから送れば良かったのかもしれないが、わりと簡単に仕事が決まるだろうという謎の自信があった。非常に浅はかな考えだったが。

職探し

職探し

いくつかの会社に応募したが、状況は良くなかった。正社員を募集している会社には書類の段階で落とされたり、面接に行っても『就業先企業の面談に合格したら採用しますよ。』という案件ありきの採用だったりで結果が出ないまま日々が過ぎた。仕方なく契約社員を募集している派遣会社にも応募した。テレビ電話で東京本社の人と面談したりもした。派遣会社は登録は簡単だが、こちらも結局案件待ちで無駄に日々が流れた。空振りの続く日々に僕はいら立っていた。

引っ越し業者からの連絡

『新しい家は決まりましたか?いつ頃になりそうですか?』と引っ越し業者から何度も電話があった。もう2週間も経っているがまだ仕事が決まらない。仕事が決まらないから住まいも決められない。住まいが決まらないから荷物を受け取る事も出来ない。

預かり期間が予定外に長引いてとても迷惑をかけていた。「本当にすみません。もう少しだけ待ってください。来週には何とか、、、。」と僕はただただ謝るしか出来なかった。

面接でキレる

面接

派遣会社からやっと紹介された案件はとても金額が安く、僕は絶望のあまり「IT業界で働くのは大変なんです。1冊5千円の本を自費で購入したり、休日など仕事以外の時間も学習して資格を取ったり努力が必要なんです。それなのに月20万程度しか貰えないならIT業界で働く意味なんて無い!」と感情的になってしまった。キレながら少し泣いていたかもしれない。

派遣会社の人は、そんな僕の言葉に気圧されたのか『もう少し違うものも探してみます。』と言ってくれた。

紹介された仕事

後日、連絡があって紹介された仕事は24時間3交代の運用監視の仕事だった。
納得いく金額では無かったが、引越しの荷物もそろそろタイムリミットに近づいているので妥協するしかなかった。僕は仕方なくその案件に決める事にした。現場との面談は無く、数日後に現場の上司との顔合わせがあるそうだ。とりあえず決まったので引越しの荷物の事も何とか出来そうで少しホッとした。

選ぶのは自分

踏み出す勇気

しかし実はもう1つだけ書類選考に通った会社があった。正社員募集でボーナスも3ヵ月分。資格取得補助・家賃補助もあり明らかに待遇が良かった。ただし問題が1つ。一次面接は運用監視の顔合わせの前日。結果が出るまでに数日も待っていられない。

それに一次面接に落ちた時は運用監視の現場に行くしかないが、受かった場合はどうするのか。自分なりに考えたが、その場合は運用監視の仕事は断って正社員の仕事に賭けるしかないだろう。その後、もし二次面接で落ちたらどうするか。考えても仕方ない。その時はその時だ。運命は誰かが決めるだろう。

一次面接

正社員の仕事の会社を訪問し、面接官の人にこれまでの経歴を一通り語った。『最後に何か質問はありますか?』と聞かれたので正直に自分の置かれている状況を説明した。引っ越し業者に荷物を預けっぱなしで早く引き取らなければならないこと。なかなか就職が決まらず契約社員の仕事に行くしかなさそうで顔合わせが明日であること。そのようなタイミングで書類選考に通り面接に来たこと。こちらの会社の方が明らかに待遇が良く、自分としては出来ればこちらで働きたいと思っていること。

「僕には時間がありません。今この場で一次面接にOKを出してくれれば契約社員の仕事は断ります。僕は合格でしょうか。不合格でしょうか。」

すると、面接をしてくれた人は『分かりました。後日もう一度来てください。』と言ってくれた。僕は嬉しかったが、ハッキリとした言葉が聞きたくて「合格ですか?」と聞くと『合格です。』と答えてくれた。
帰り道、僕は建物を出てすぐに派遣会社に謝罪の電話を入れた。

二次面接

契約

指定された日に、再び会社を訪問した。今日決めなければ後は無い。契約社員の仕事は断ってしまった。他に面接の予定も無い。気合を入れて行け、全力を出せ、必ず二次面接にも合格してやる。あとで後悔しないように100%の自分を出すんだ。

背筋を正し、意気込んで会議室で待っていると先日面接をしてくれた人が1枚の紙を持って入って来た。
『これが契約条件ね。印鑑持って来た?』と言われ、「あ、はい。あれ?二次面接じゃ無いんですか?」と聞くと『うん、今日は条件の説明とか入社手続きを行うよ。』と。

カラダから一気に力が抜けた。実は面接をしてくれた人はその部署の責任者である支店長だった。一番最初に部署で一番偉い人と面接をしたので二次面接の必要は無く、僕はあの場で"合格"していたのだ。つまり、僕は面接の場で採用か否かを即答させた事になる。我ながら何て怖い物知らずで型破りなヤツだ。

提示された金額は東京に居た時とさほど変わらないが、家賃補助が別にあるため年収的には70万くらいアップする事になる。1年のブランクがある僕を採用してくれた訳だし感謝しか無かった。

物件選び

家賃補助は無制限ではなく、独身者は6万円の物件までという制限があるので物件選びには悩んだが、会社から電車で10分・最寄駅から徒歩5分というなかなか良い物件に決めた。スーパーも近くにあり便利だ。エレベーターの無い階段4階の部屋は運動不足になりがちなITエンジニアにとっては毎日強制的に運動出来る良い部屋かもしれない。引っ越し業者には大変迷惑をかけたがやっと荷物を受け取る事も出来た。預かり期間が長引いたために発生した追加料金も会社が負担してくれた。

帰還

新たな生活

地元を出て予定通りに1ヵ月でレオパレス生活を終えて、また新たな生活の始まりだ。

何もかもギリギリだったが、こうして僕はちょうど1年で再びIT業界に戻る事になった。

 

最後まで諦めるな。